今年4月に鎌倉へ移住。
せっかくなら地元で仕事を――と思い、11月から鶴岡八幡宮で七五三のロケーション撮影を始めました。七五三専用のInstagramアカウントを立ち上げ、広告も出稿。おかげさまでこれまでに12件のご依頼をいただきました。
アカウントはこちら →(Instagram)
もともと僕は店舗などの商業撮影が中心。**家族写真(七五三)**は初挑戦でしたが、必要なスキルがまったく違うことを痛感。しかも、小さなお子さんの撮影は想像以上に難しい……。
この1か月で学んだことを、自分の備忘も兼ねてまとめます。対象はこの2パターンの方です。
- これからロケーション撮影を仕事にしたいカメラマン
- 商業カメラマンだけど、知人に頼まれて七五三を撮ることになった方
結論から:七五三は“3歳児をどう撮るか”が勝負
まず最重要ポイントを一つ。
「3歳児の七五三撮影は本当に大変」。ここに尽きます。
3歳は、七五三や撮影の意味をまだ理解していないことが多い。慣れない着物、にぎやかな神社、刺激の多い環境。好奇心いっぱいであちこち動き、狙ってカメラ目線はほぼしてくれない。
だからこそ、3歳で結果を出せる準備をしておけば、5歳・7歳はもっと撮りやすいはず。
僕自身まだ修行中ですが、今の時点で「これは効いた」と感じた準備と立ち回りを共有します。
七五三撮影カメラマンの実践メモ(持ち物&立ち回り)
1)ご機嫌が難しいときは、親御さんの“正解”を聞く
初対面のカメラマンが場でご機嫌を取るのは正直むずかしい。
- カメラマンから話しかけた方がいい?
- 親御さん主導がいい?
- “今は話しかけない”方がいい?
最初にママ・パパに必ず聞くのが近道です。僕は張り切ってたくさん話しかけ、逆効果になった苦い経験あり……。ここ、地味ですが一番大事。
2)ぬいぐるみ/小さなおもちゃは命綱
小ぶりのぬいぐるみは視線誘導と安心材料の両方で効きます。
キャラクターはお子さんの好みに合わせて(ミニー/キティ/プリンセス/車・電車など)。アンパンマンは男女問わず万能。
加えて小さなシールも有効。手の平に貼って「これなあに?」→「ゾウさん!」のタイミングでシャッター。
3)お菓子は“最後の一押し”にも“ご褒美”にも
3歳が好きそうな一口サイズのお菓子をいくつか。
- スタートで距離を縮める
- 途中でエネルギー補給
- 撮影頑張ったねの最後のご褒美
どれも効果的。僕はマイク型のラムネが定番でよく喜ばれます。
※渡す前に親御さんへ必ず確認(方針やアレルギーの配慮)。

4)大きめリュック+45Lビニール袋で“手ぶら化”を作る
親御さんは意外と生活用品の手荷物が多い。
写真写りを損ねないよう、大きめリュックで一時的に預かる体制を。45Lのビニール袋でまとめてからインしておくと出し入れがスムーズです。
5)ハンカチ/ティッシュ/ウェットティッシュを即出せる位置に
手水舎で濡れた手を拭く、着物に何か付いたらサッと対応――。
「私ので良ければどうぞ」と一拍で差し出せると、信頼と流れが生まれます。正装の親御さんは取り出しにくいことが多いので、ここは先回り。
商業撮影との“ちがい”―技術よりも「場の設計」
商業はライティングと構図の再現性が命。七五三は**“場の空気”と“機嫌の波”**が主役。
- 正解を押しつけず、その子のペースに寄り添う
- 撮れる状況をつくる(休憩・移動・小道具)
- 親御さんと同じチームになる(役割分担の合意)
この3点で結果が大きく変わりました。
※補足:神社ごとに撮影ルールや申請が異なるため、事前確認は必須。混雑時は安全と周囲への配慮を最優先に。
さいごに
3歳を笑顔で撮れる準備が、七五三の8割。
一生懸命に“撮れる状況”を整え、家族の大切な1日を心地よく記録する。僕もまだまだ鍛錬中ですが、このメモがこれから七五三を撮るカメラマンの役に立てば本望です。
撮影、いっしょに頑張りましょう。最後まで読んでくださりありがとうございました!