先日出会った、おもしろいお花屋さんの店主の話
先日、ふと立ち寄ったお花屋さんで、ちょっと変わった店主に出会いました。
私が目を止めたのは「ウスネオイデス」という、エアプランツの仲間の観葉植物。ふわふわした姿が可愛くて、部屋に飾ったら素敵だろうなと思ったんです。
ところが、店主はいきなり売ってはくれませんでした。
まず始まったのは“お世話講座”。
「この子はね、毎日霧吹きで水をあげないといけません。風通しが悪いと蒸れてダメになるし、夏は特に注意が必要です。」
さらに驚いたのは次の一言。
「ウスネオイデスは夜にしか水を吸わないんです。だから水をやるのは夜に限られるんですよ。」
私は思わず、
「けっこう手間がかかるんですね。ちょっと大変そう…」
と口にしました。すると店主がピシャリ。
「ちゃんと育てられるって言うんだったら買ってください!」
――売る気があるのかないのか(笑)。でもその言葉に、不思議と説得力がありました。
結局その場では決められず、一度お店を出て15分ほど考えました。
しかし歩きながら思ったんです。
「ここまで真剣に植物のことを考えている店主から買うなら、ちゃんと育てようって思えるな」と。
そして再びお店に戻り、最終的にウスネオイデスをお迎えしました。
マーケティングの視点で感じたこと
この体験で感じたのは、「商売はただ売れてお金になればいいわけじゃない」ということです。
店主は売上よりも「植物をきちんと育ててもらうこと」を大切にしていました。
その姿勢が伝わったからこそ、私は「同じものを買うなら、この人から買いたい」と強く思ったのです。
マーケティングでも同じで、単に商品を売るのが目的ではなく、商品を通してお客さんが価値を感じられるかどうかが本質。
信念ある姿勢は、お客さんに“信頼”として伝わり、それがリピートやファンを生むのだと思います。
まとめ
お花屋さんの店主から学んだのは、植物の育て方以上のことでした。
「売る」のではなく「伝える」。
その真剣さがあるからこそ、人は“同じものならこの人から買いたい”と感じる。
“ただ売れればいい”のではなく、
“大切に育ててもらいたい”という想いに心を動かされました。
商売の本質を、ひとつのウスネオイデスから教えてもらった出来事でした。